パスポート取り上げと労基法違反

 今日の中日新聞紙面で、外国人労働者のパスポートや卒業証書などを申請後も返却せず、転職させないため取り上げる問題が報じられました。


 残念なことに雇用主は入管申請取次の資格を有する行政書士事務所、新聞には事務所名称は掲載されており、同じ資格を持つ者として非常に憤慨しています。

 しかし、記事では技能実習や特定技能とは違い、法律で禁止されておらず、違反を追求する方法は無いと書かれていましたが、その記事には労働法からの視点が全く無く、重要な部分が抜けています。

 

 もし社会保険労務士との兼業である自分が相談を受けたなら、まず労働基準監督署に労基法違反の申告を行い、監督署に是正指導及び起訴をお願いするでしょう。

労働基準法23条には退職者の請求があった場合は、退職後7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。と定められています。

 

 この金品とは行政通達で、労働の対価により発生したもの以外、つまり労働者が持ち込んだ私物も該当するとされており、パスポートも労働者の権利に属するとされています。

 つまり、この事業主は労働基準法23条違反を行っており30万円以下の罰金刑に処せられます。とはいえ、新聞にも書かれている通り転職させない職業選択の自由を阻害する行為について、さらに重い刑罰を科す必要があるといえるでしょう。

 

2020年03月09日